「ぼくの脳内ファンタジーを設定資料集にしたやつ」の拡張版です。
現代魔術のしおり刊行に寄せて
本書は、雑貨屋「猫の嘴亭」の目録に存在する現王政以前の旧世代魔術の模造品についての解説を記すものである。 これは一店主の個人的な趣味の延長であり、本書の信憑性に関しては読者諸兄にて判断してほしい。 少なくとも、本書に記されている幾ばくかの歴史的事象は、青銅教会ならびに現皇政によって編纂された皇国史と明確に矛盾する。 これは、かつて百年以上に渡って続いた都市間戦争において多くの史料が失われたことに起因するものであるが、それらの史料が何故失われ、その上で編纂された皇国史の根拠とは一体何なのかという部分については、いずれ場を改めて語ろうと思う。 その点において言えば、本書の根拠は極めて単純であり、明確なものだ。 即ち、著者である私――不老の呪いを受け五百余年を生きた魔法使い、リューディア・ユルハの記憶である。 以上の内容を胸に留め置いた上で、本書が読者諸兄の魔術理解の一助となれば幸いである。 猫の嘴亭 リューディア・ユルハ
B5正方形本文モノクロ20ページ 企画/イラスト/デザイン/halcana/F=h